マエダ トモヤ   MAEDA Tomoya
  前田 智也
   所属   埼玉医科大学  医学部 国際医療センター 造血器腫瘍科
   職種   准教授
論文種別 学術雑誌(総説)
言語種別 日本語
査読の有無 査読なし
招待の有無 招待あり
表題 MDSにおける薬物療法の現状と今後の展望
掲載誌名 正式名:[Rinshō ketsueki] The Japanese journal of clinical hematology
略  称:Rinsho Ketsueki
ISSNコード:04851439
掲載区分国内
巻・号・頁 62(8),1038-1049頁
総ページ数 12
著者・共著者 前田智也
発行年月 2021/09/08
概要 骨髄異形成症候群(MDS)は,遺伝子変異で発症するクローン性疾患である。病態や予後は症例ごとで大き
く異なり,予後予測モデルでの分類が治療に必須である。そのリスクで治療目標は異なり,低リスクでは造血
不全の対応と QOL 維持を主体とするが,高リスクでは白血病化阻止と生存の延長である。治癒の期待できる治
療は造血幹細胞移植に限られ,移植非適応の高リスク患者ではアザシチジンが推奨される。しかし,治療反応
は約 40%に過ぎず,その効果持続も短期間である。近年,MDS にみられるドライバー変異は診断前よりすで
に存在し,診断や病期進行に伴いその多様性を増すことが報告された。変異プロファイルにより診断に至る段
階や周辺疾患の細分化も試みられ,CHIP などの概念も提唱された。遺伝子解析により分子病態の理解が進む一
方で,MDS の不均一性そのものが治療を困難にしているともいえる。本稿では,現時点で選択される MDS の
薬物療法について今後の展望も含めて概説する。