カトウ タカオ   KATO Takao
  加藤 崇央
   所属   埼玉医科大学  医学部 総合医療センター 麻酔科(麻酔科、産科麻酔科)
   職種   准教授
論文種別 学術雑誌(総説)
言語種別 日本語
査読の有無 査読なし
招待の有無 招待あり
表題 イオン化マグネシウムの臨床応用と予後予測因子としての可能性
掲載誌名 正式名:体液・代謝管理
ISSNコード:13450492
掲載区分国内
出版社 体液・代謝管理研究会
巻・号・頁 38(1),7-11頁
著者・共著者 ◎加藤 崇央
発行年月 2022/12/19
概要 救急・麻酔領域におけるマグネシウム(Mg)の有用性は,多型性心室頻拍,子癇,重症喘息発作,鎮痛,筋弛緩薬作用増強など多岐に渡る.Mgの投与は,時に心停止・呼吸停止など重篤な合併症を引き起こすため,厳密なモニタリングが必要になる.また,重症患者での低カリウム血症,低カルシウム血症では並行してMg補正を行うことの重要性が強調されている.重症患者における総マグネシウム(tMg)の変化はイオン化マグネシウム(iMg)の変化とは対応せず,異常値の見逃し,不必要な検査,不必要なMg投与に繋がる危険性が指摘されている.一方,iMgは生理学的活性を反映することに加え,ベッドサイドでリアルタイムの測定が可能である.しかし,iMg測定には専用電極が必要で測定機器が限られていることから,臨床ではtMgが用いられることが多く,iMgを指標に治療介入した報告は稀である.当科では20年以上前からiMgの測定を日常的に行っており,手術麻酔,産科麻酔,集中治療領域における臨床や研究に役立てている.今回は,Mgの具体的な投与法について述べるとともに,iMg濃度を指標に薬剤性Torsades de pointesの治療を行った自験例,冠動脈バイパス術においてiMg濃度を指標に補充を行った報告などを通して,iMgの臨床応用法について紹介する.近年,我々は後ろ向き研究にて人工心肺を用いた冠動脈バイパス術後や食道癌術後症例において術中iMgの変動や低iMgが術後心房細動の発症因子であることを報告しており,予後予測因子としてのiMgの可能性についても紹介する.ベッドサイドでのイオン化マグネシウム測定の重要性を再認識し,日常臨床に役立てていただければ幸いである.(著者抄録)
文献番号 2023227980