ミナミヤマ シュウヘイ   MINAMIYAMA Shuhei
  南山 周平
   所属   埼玉医科大学  医学部 歯科・口腔外科
   職種   専任講師
論文種別 学術雑誌(症例報告)
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 ナビゲーションシステムを用いて摘出した上顎歯原性角化嚢胞再発症例
掲載誌名 正式名:横浜医学
ISSNコード:0372-7726
掲載区分国内
出版社 横浜市立大学医学会
巻・号・頁 74(2),43-47頁
著者・共著者 矢谷実英,岩井俊憲,杉山聡美,石川総一郎,出田ゆか,吉井 悠,南山周平,矢島康治,馬場隼一,小栗千里,光藤健司
発行年月 2023
概要 歯原性角化嚢胞は歯原性上皮から生じる嚢胞性疾患の一種であり,高い浸潤性や再発傾向など腫瘍に類似した性格を特徴とする.外科的治療が唯一の治療法であり,摘出術を第一選択とするが,多発再発例や後方進展例は根治性の確保のため顎骨切除が考慮されうる.今回われわれはナビゲーションシステムを用いて摘出術を行い顎骨温存を可能とした上顎歯原性角化嚢胞再発症例について報告する.症例は57歳の男性,前医で上顎骨嚢胞の診断で摘出術を受けた.病理検査にて歯原性角化嚢胞と診断され,術後2年の画像検査で眼窩底近傍および口蓋骨錐体突起部に多発再発を認めた.顎骨切除が提案されたが,顎骨温存を希望し当科紹介された.再発病変が上顎骨内深部に存在し重要臓器に近接していたことから,病変のリアルタイムでの位置評価のためナビゲーションシステムを用いた嚢胞摘出術が実施された.術中ナビゲーションは三次元的な病変の同定を正確かつ安全に可能とし,嚢胞摘出術と周囲骨の削除は周辺臓器や神経血管束の損傷なしに行われた.術後合併症もなく経過は良好で,術後14か月経過した時点での骨形成は良好で病変の再発は認めなかった.(著者抄録)