マツオカ タカヒロ   MATSUOKA Takahiro
  松岡 孝裕
   所属   埼玉医科大学  医学部 神経精神科・心療内科
   職種   教授
論文種別 学術雑誌(原著)
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 ワーキングメモリー課題/自己参照課題遂行中の脳波α帯域事象関連同期/脱同期について—ヒト健常者における検討—
掲載誌名 正式名:臨床神経生理学
略  称:Jpn J Clin Neurophysiol
ISSNコード:13457101/2188031X
掲載区分国内
出版社 日本臨床神経生理学会
巻・号・頁 47(2),74-81頁
著者・共著者 ◎下出 崇輝, (松岡 孝裕), 井上 哲雄, 太田 敏男
発行年月 2019/04
概要 近年、成人期Attention Deficit Hyperactivity Disorder (ADHD)の診断に役立つ神経生理学的指標の確立が期待されるなか、病態仮説として有力視されているデフォルトモードネットワーク(以下、DMN)障害仮説に注目し、DMNの抑制/活性化を要するワーキングメモリー(以下、WM)/自己参照(以下、SR)課題を遂行中の事象関連α帯域パワー値(以下、ERpow)が、両課題間で乖離するかを検討した。対象は右利き健常男性、12名。性格を表す形容動詞を刺激に用いた。警告刺激(S1)の2s後に標的刺激(S2)が呈示され、WM課題ではS2がS1と、SR課題ではS2が自身の性格と合致するかをそれぞれ判断し、合致時に2s後の命令刺激(S3)を待ちボタンを押すよう被験者に求めた。SR課題中、α帯域ERpowはS3前1sの区間で増大を示したが、この現象はWM課題中の同区間では観察されず両者の乖離は有意だった。この一過性のα帯域活動の増大は、注意が内界に向け切り替わる際のDMNの活性化を反映している可能性があり、注意の切換えが困難な成人期ADHDの診断に役立つ神経生理学的指標になりうると考えられた。